成婚したのに破談になりそう、破談になった7つの事例
こんにちは。元マリッジカウンセラーのエレナです。
さて、今回は結婚相談所を通して成婚したものの破談になりそうだったケースと破談になってしまったケースについてお話します。
誰しも婚活して素敵な人と出会って、交際を重ね、プロポーズも済ませればホッとするものです。そして結婚相談所であれば、ここで成婚となり退会手続きに入ります。退会後は女性の両親への挨拶、お互いの両親を交えての会食と続きます。
でも結婚準備に向けての話し合いの段階になって2人の関係がギクシャクしてしまうこともあるのです。この段階でトラブルになることには、あるパターンがあります。
私がマリッジカウンセラーとして関わってきた中で破談になりそうだったケース、破談になった事例が分かると、どうしたら良いかが具体的に見えてくると思います。
そこで今回は結婚相談所で破談になりそうになった事例を「当事者」と「親御さんがらみ」に分け、破談にならないようにするための回避策をご紹介します。
成婚退会後に破談となる2つの理由
親御さんの反対
結婚を決めた後に問題が出てくるのは、婚活での出会いに限定したことではなく、一般的な恋愛でも共通することです。
なぜ結婚が決まった後から問題が起きやすくなるかと言うと、結婚相手を決めるまでの間は「当事者2人の問題だ」で済むからです。でも結婚が決まれば、当事者2人だけの問題ではなくなります。
結婚が決まれば、お互いの両親・家族と関わりを持つ中で意見を述べることもあります。どちらの親御さんも自分の子供は可愛いし、親御さんの立場からも「こうしたい」「ああしたい」と思う気持ちもでてきます。そんなとき、考え方の食い違いが起きやすいのです。
本当の相手が見えた
婚活中には見られなかった相手の態度や言動に我慢できなくなり破談になるケースもあります。婚活中は、相手に選ばれるようにがんばって身を取り繕うものです。
これは普通のことですよね。ここで問題になるのは、婚活用に振る舞ってきた態度を突然辞めてしまう人がいらっしゃること。
これでは相手もビックリして気持ちも離れてしまいます。できれば婚活中にしてきた態度は継続して欲しいものですが、難しければ徐々にハードルを下げてみて相手の反応を見てみることをおすすめします。
結婚相談所で破談になりそうになった事例
では、実際に結婚相談所で破談になりそうになった事例を「当事者」と「親御さん」の2つに分類して紹介します。
なお破談になりそうなケースの場合、私が所属していた結婚相談所側ではフォローしていました。当事者2人の気持ちは冷めていない。でも両家の親御さんがゴタゴタしている。このような場合は、破談を回避しやすいです。
当事者間のトラブル
当事者間でトラブルになりやすいのは、以下のようなケースです。
- 結婚式準備で多忙なとき、どちらかが非協力的だった
- 結婚式に向けて意見を出し合うとき、お互いの意見が衝突した
- 交際していたときと態度が変わった
結婚準備・結婚式に向けて意見を出し合うとき2人にとって、これが初めてのケンカの原因になってしまうことはあるのです。
では上記3つについて、もう少し詳しく書いてみますね。
結婚準備で多忙なとき、どちらかが非協力的だった
簡単に「結婚準備」と言っても、すべきことは多いです。両家の顔合わせの後、新居探し・婚姻届けを提出するタイミングを決めるのと同時に、結婚式のことも考えなくてはならなくなります。
結婚式をする場所、規模、予算、招待客の数、料理の内容、引き出物、お互いの衣装決めなど細かいことを含めると案外、大変なのです。
最初のうちは少しずつ、形が整っていくのを楽しむこともできます。でも、いつの間にか、どちらかが非協力的になってしまうことがあるのです。
男性であれば「仕事が忙しい」「女性側に任せた方が上手くまとまりそうだ」などの気持ちがあるときです。
また女性であれば自分自身や両親が「お嫁にもらってもらうんだから、男性側の意見を尊重し従っていれば波風が立たない」という気持ちが根底にあったり、「仕事が忙しい」ことが多いですね。
どちらの場合であれ、お互いの気持ちを考えることが大切。どんな気持ちでの発言なのか、どんな気持ちで発言しないのかを汲み取ろうとすることを忘れてはいけません。
一方的に相手を責めたり、自分(親御さん)の意見や主張を我慢し過ぎないことも大切です。
結婚式に向けて意見を出し合うとき、お互いの意見が衝突した
女性側は幼い頃からの憧れもあるし、結婚式に参加した人側の視点でも「こうしたい」「ああしたい」と思いを巡らせます。
女性の夢が膨らみつつ、「出席してくれた人に失礼がないように歓待しなきゃ」「結婚式の質にもこだわって素敵なものにしたい」という気持ちも混じるもの。そんな中で、男性は心なしかクールな面があるものです。
男性としては女性を尊重する意味で「○○さんの好きなようにして良いよ」と発言したとしても、女性は「僕はどうでも良いよ」と受けとってしまうこともあります。
このような場合は、男性は女性に対して「いろいろ、案をだしてくれて助かるよ。ありがとう。結婚式は女性にとって特別な思い入れのある日だと思うんだ。だから、僕は可能な限り○○さんの意見を尊重したいと思っている。悩んだり、困ったことがあれば遠慮しないで、いつでも相談してね。2人で一緒に決めていこう」と相手を思う気持ちを言葉にして伝えられればOKです。
交際していたときと態度が変わった
先にも述べましたが婚活中は、相手に選ばれるために、態度や身なりを取り繕っているものです。
でも成婚してホッとしてしまうのか、突然、素の自分に戻ってしまう、戻してしまう人がいらっしゃるのです。
時に素の自分を見せるのも大切ですが、いきなりの変身は相手も驚き、受け入れられないことがあります。
例えば婚活中は言葉づかいや悪態には注意していたのに、ついつい出てしまうようになる。粗野な人が苦手な女性からすれば、これは我慢ができないことです。
またお金に対し、突然シビアな対応をするようになるのもいけません。交際中はお金を出してくれていたのに、成婚後はきっちり割り勘を求めるなどです。
いずれのケースも相手に寄るので、交際の段階で相手を理解するよう努めるか、婚活中の態度はできれば継続、難しければ徐々にハードルを下げ、相手の反応を見るのがいいです。
親御さんがらみ
交際のように当事者2人だけの問題も結婚となると、そうも行きません。2人のご両親も加わり、それぞれの思いが出て来てしまいます。
この段階で問題になるのは、以下のようなケースが多いです。
- 考え方の相違から、折り合いがつかなくなった
- 結婚後の同居は「なし」だったはずが、同居希望になった
当事者2人と、それぞれの親御さんを交えて話し合いの機会が設けられると、人の数だけ言いたいことがあり、トラブルも起きがち。でもこれはある程度は仕方のないことです。
ここは上手にコミュニケーションを図っていくほかありません。では、上記2つについて もう少し突っ込んで書いてみます。
考え方の相違から、折り合いがつかなくなった
まず最初に申し上げておきますが考え方の相違は、あって当たり前ということです。
例えば「結婚式は盛大にやりたい」、逆に「控えめに慎ましくやりたい」など親御さんの想いもあるでしょう。また男性側の家や地域のしきたりが関係することもあります。
これが原因で両家の親御さん同士の意見が違ってしまい、ゴタゴタに巻き込まれるのは辛いですよね?
自分の親の方の意見に賛成すれば「親の言いなり」と思われてしまうし、「両家にとって最善の道は?」と考え始めると疲れてしまいます。
そんなときは、まず結婚する2人の気持ちを確認し合うことが一番大切です。その上で、お互いが両親の橋渡し役になることです。
もし、それでも両家の折り合いがつかないようであれば「挙式は2人だけで行い、親族・仕事関係者・友人・知人には葉書きで報告しようと思っている」などと提案することもできます。
こう提案することで、どちらかの親御さんが折れてくれることもありますし、仮に2人だけの挙式になったとしても、一方の親御さんに肩入れした形にならないので、波風も穏やかにできます。
「同居なし」が、同居希望に
結婚後、親御さんとの同居を巡るトラブルは意外と多いです。本人は同居するつもりはなくても、親御さん側が同居を希望していることがあるのです。
中には二世帯住宅を用意しているケースもあり、一筋縄にはいきません。
ただこのケースもコミュニケーションが大切になります。ご本人たちで上手にコミュニケーションを図り、折り合いをつけることができればよいのですが、折り合いがつかなければ破談になってしまいます。
そんなとき結婚相談所としては、まず当事者2人で生活する時間を作ることをおすすめしています。
その上で将来、「子供に恵まれ、家族構成が変わった」「男性側の両親が肉体的に・精神的に衰えてきた」などが出てきたとき、「家族みんなで『どうずるべきか』を話し合えば良いのではないでしょうか」とお伝えしています。
同居を一旦、棚上げし、将来に持ち越すことで破談を回避することができます。
相手の新たな一面を発見していくのが夫婦
破談は可能なら、結婚相談所側も避けたい結末です。でも、「破談に至った経緯によっては止むを得なかった」「結果的には入籍や結婚式よりも前に分かって、良かったんだ」と気持ちを切り替えて前に進むしかありません。
とは言っても、当事者は深く傷つき人間不信になってしまうこともあります。そんなとき、私は会員さんに対して次のような話をします。
今回のことであなたは「もう誰も信じない。結婚なんてしなくてもいい」そう思うかも知れません。そして「交際期間がもっと長かったら相手のことが、もっと良く分かったんじゃないか?」と思う気持ちも十分に理解できます。でも、どんなに長期間交際したとしても交際期間中に知り得ることには限度があるのです。交際期間を経て、成婚の段階になったからこそ分かること。そして、結婚して一緒に暮らしてみてからでないと分からないこともあります、と。
「たら・れば」は100%仮定のこと。過去を悔やむのも、未来を憂いてもかまいません。だけど誰でも、ある程度の段階まできたら見切り発車をして、その中で譲り合いをしていく必要があります。
そうやって、その段階ごとに相手の新たな一面を発見していくのが夫婦だからです。「あら、あなたに、そんな一面があったんだ」と気づきながら人として成長していけば良いのです。
破談になった事例
前述したように、結婚相談所側でも破談を回避するために解決策を模索します。でも、どちらか一方の気持ちが完全に冷めていたり、「そのような事情では、会員さんが幸せになれる可能性は低い」と結婚相談所側が判断すれば、成婚取り消しの手続きを開始します。
私が経験した破談になった例に、以下の2つがあります。
- お相手側に借金があることが分かった
- 男性側の親の失言
それぞれについて、解説します。
お相手側に借金があることが分かった
この場合、借金をした理由と借金額がポイントです。でも、結婚相談所を介しての出会いの場合は、男性側が破談を選択する確率は高めになります。
奨学金の返済や止むを得ない事情で相手側に借金があるとしても、残っている借金額と今後、どのように支払っていくつもりなのかを考えたとき、不安を払拭できないことが多いと感じます。
女性の場合、買い物による借金であれば癖になってしまう傾向は強いと言わざるを得ないでしょう。
男性側の親の失言
これは、どのような言葉かと言うと「家にはお金がない」です。誰でも、どんな家でも「我が家はお金持ちです」と公言する人はいません。でも、この言葉を男性側の父親が言うのはNGです。
なぜなら女性は結婚を控えるとマリッジブルーに陥りやすくなるから。女性の両親も両家の顔合わせで、このような言葉を言われたら「嫁がせても大丈夫なのか」と不安が募ってしまいます。
どの親御さんも自分の子供には可能な限り、苦労はさせたくないと思うもの。だから、女性側の親御さんが「娘を嫁がせることはできない」と判断したとしても、何もおかしいことはないのです。
その他、男性の両親の失言として多いのが「うちの家は、こういうやり方ですから○○さんも覚えてくださいね」というものです。
この言葉を両家の顔合わせの段階で言われてしまうと、女性は「私にできるかしら?」とか「できなかったら、どうしよう」とプレッシャーと不安を感じてしまいます。
こんなとき、男性は間を空けず「○○さんの育ってきた環境は僕とは違うのだから、少しずつ慣れれば大丈夫だよ。不安なことも多いだろうけど、僕もきちんとフォローするからね」と伝えることができれば、女性も女性側の両親も安心できます。
両家初顔合わせのときのポイント
当事者2人と、その親御さんが初対面するときは「両家の顔合わせ」という堅苦しいものでなく「お互いの両親に感謝の気持ちを伝え、交流を深める場」として設定することをおすすめします。
このように設定し、お互いの両親に伝えておくことで、両家の親御さんも緊張せず、和やかな雰囲気になりやすいです。さらに当事者である2人の緊張や不安も和らぐと感じています。
この事前に目的をはっきりさせるテクニックは、実はさまざまなところで使われていて「フレーミング」と言います。講演会などで司会者が「○○に注意して聞いてくださいね」と言うアレもそうです。意識がそこに向かうことで、よりよい関係や結果が得られるのです。と、少し脱線しましたね。
両家の顔合わせ(交流会)前に当事者2人で話し合い、計画を立てるようにしてください。参加している人が不快になることなく、「今後は、どうぞよろしくね」そんな気持ちが伝えられれば、その会は成功ですよ。
成婚退会後の「破談」の取り扱いについて
破談になった場合、その後の扱いは結婚相談所によって異なりますが、だいたい以下の組み合わせの4パターンが考えられます。
成婚料の取り扱い
A. 成婚料は返還しない
B. 成婚料はいただかない(返還する)
同じ結婚相談所で婚活を希望した場合
1. 新たに、入会金と登録事務費をいただく。
2. 入会金はいただかず、登録事務費のみをいただく。
また同じ結婚相談所で婚活するかどうかは人それぞれ。「また、ここで頑張る」ということもあるし「心機一転、別の婚活場所を探そう」ということもあります。
会員さんが、どちらを選択するにしても結婚相談所側は見守る。このようなスタンスです。
まとめ:譲り、譲られ「お互い様」の精神で
成婚後は結婚準備に向けて、心身ともに忙しくなります。でも、お互いを尊重し譲り、譲られ「お互い様」の気持ちを忘れないようにしたいものです。
お互いに「自分」と「自分の親」の意見ばかりを通そうとすると、ケンカになってしまいます。結婚式を含めた結婚準備は、2人の共同作業というスタンスで取り組むことです。
初心に戻り、交際を始めた頃のお相手への誠実さと優しさを忘れずに思いやりのある対応ができれば、必ず乗り切れますよ。
逆に多少の波風も乗り越え、結婚式を迎えることができれば2人の絆は強くなり、結婚後も大丈夫と自信が持てるようになるものです。